第389回は福原がお届けいたします。
私は、
骨董品の売買を生業としております。
「売」と「買」
どちらもやっているのですが
今日は「買い」
=「買い取り」のお話です。
ちょうど、桃の節句なので
ひな人形の価値のお話を。
ひな人形は、
昔から高級品でした。
江戸時代にはもう
今の形になったのですが。
江戸時代に
ひな人形の製造販売を始めたのは
浅草の「吉徳」。
そこから暖簾分けしたのが
「久月」。(明治初期)
でも当時、○段飾りとなると
お姫様(地方含む)か
お嬢様(地方含む)しか
持っていなかったみたいです。
では
庶民のムスメたちは
何を飾っていたかというと ・・・
各地方で作られる
土人形とか、張り子人形とか
郷土玩具のものを
飾っていたようです。
○段飾りが庶民に普及したのは
大正昭和になってからと
思われます。
ここで 商売のお話し。
骨董的な価値があるのは
江戸時代のお雛様。
御所人形のお顔のような
雅な雰囲気を残したもの。
享保時代(江戸中期)のものが
とても人気があります。
逆に、大量生産が始まった
明治時代以降の
久月をはじめとする
お雛様 製造会社の製品は
まだ時代が新しいため、
所有していた女性の面影が
想像されてしまい、
消費者から敬遠されてしまうのです。
「え?ウチのが明治か江戸かなんて
分かんないよ。何か見分ける方法無いの?」
という、アナタに朗報です。
江戸時代のひな人形を見分ける方法。
それは ・・・
人形 それ自体は
どの時代も良く出来ているので
見分けるのは難しいのです が
でも ・・・
付属している「雛道具」がありますよね。
それを見分けるのは
素人でも、とても簡単
江戸時代の良いひな人形には
木製で本当の漆、蒔絵が施され
真鍮の金具がついた
立派な道具が付属しています。
「人間が使う道具を
そのまま縮小したのか?」
というくらいの完成度です
しかし 。。
明治大正時代 以降の
大量生産の雛道具には
プラスチックにメッキ、ラッカー、
ブリキの金具が使われていて
雛道具が、
ままごとのオモチャっぽいのです。
要するに
江戸時代のものは
職人が作る一点もの
明治以降は
流れ作業の大量生産
ということになります。
先祖代々のお雛様をお持ちの皆さま
桃の節句のこの機会に
いろいろ
観察しているのも
楽しいかも!
おわり