スタッフブログ 519回は福原がお届けします。
前回お話した、思い出の昭和のデパート。
今日は、ゲームコーナー編です。
やはり、45年前。昭和50年頃のこと。
私は小学4年生。
家は、商売で夜遅くまで忙しいので、
帰ったところで、居場所もない。
お小遣いは、週に3日で、一回50円。
駄菓子屋で買い物して、神社で遊んでも、
まだ暗くなるには間があります。
そこで、デパートでも冷やかすか・・・(笑)
ということになります。
しかし、そこは大人の世界。
いろいろと、危険が潜んでおります。
その、危険度マックス・ナンバーワン が、
隣町(西方面)から来る不良たちです。
小学6年から、中2くらいなので、
プレヤンキーくらいかな。
でも、ヤンキー文化もまだ無かったか・・
さて。
デパートに入ると、子供同士、視界に入るらしく
結構な高確率で見つかります。
こっちがお金持ってないの知ってるので
カツアゲとかは、されないんですが、
子分よろしく、連れ回されます。
地下のお菓子売り場、ウロウロしたかと思うと
6階のゲームコーナーまで、エスカレーター。
ふと見ると、不良の手に、「マーブルチョコ」が。
私 「あれ、買ったの?」
不良 「ガメだんずや。オメもガメろ。」
こちらは、ただただショックで俯くばかり。
それでもついて行ったのは、なにか
暗いものに魅了されていたのかも知れません。
さて、
不良のたまり場、ゲームコーナー。
当時は、インベーダーゲーム流行前夜。
電子遊戯の機械も、あるにはあったのですが、
魚雷ゲームとか、ウエスタンのガンマン等
単純なものばかり。
まだまだ、アナログな機械が多かったのです。
そんな中、メインはギャンブルものでした。
人気NO1は、なんと言っても「ダービー」。
4畳もあろうかというミニチュア競馬場。
走る馬も、精巧に出来ていて、
4本の足もちゃんと動きます。
トラックを覗き込む、興奮した12,3歳の不良達。
その頃、そこには毎日、2,30人 程
ギラギラした子供が集まっていました。
なので
私はしばらく遠巻きに見ていたのですが、
なんとか、皆を興奮させている、その
動くミニチュア世界が、どうしても見たくなり
ちょっとした隙間をみつけて
体を割り込ませてみました・・・・・・・
その刹那 !
鳩尾(みぞおち)に、
今まで経験したことのない痛みが走ったのです。
背を向けていた、ある中学生の
喧嘩なれした肘鉄が、めりこんだのでした。
「じゃまくせんだねっ!」の一喝とともに。
息ができないので、ズルズルと壁の方へ。
気持ちも、視界も真っ白で、涙も出ませんでした。
あ、
これはギャンブル場には、近づけないや・・
と、悟った9歳の私は、
ゲームコーナーのお姉さんがお情けでくれた
何枚かのコインを持って、
自分の歳にふさわしい、
「ナイヤガラ」
= コインが、川の如く積まれている中を、
丸太が前後に動いていて、そのそばに
コインを投入することによって、
自分のスポットに、落ちやすくするゲーム。
実際は、死角の部分に穴があり、
殆ど、親に持っていかれる。
で、ほんの何分かだけ遊ぶと、
もらったコインは、やっぱり、すぐに無くなって
トボトボと
デパートを後にするのでした。
おわり