スタッフ日記

ナンブ に マナブ

スタッフブログ第590回は福原がお届けします。

今回は、南部に学ぶ。です。

仕事柄、津軽全域に出張で出かける事が多いのですが、たまーに、南部地方からもお声がかかることがありまして。

南部地方の歴史、民族的遺産として、私たちが簡単に思い浮かぶのは、晩期の精密な土器で有名な、是川遺跡。

そして、国宝の鎧、赤糸威鎧でしょうか?

それ以外に、南部の歴史、民族に興味のある津軽の人って少ないかも知れません。

少ないでしょう。いや、少ないに違いない。

だって、昔から仲悪いんだから。

さて。ご多分に漏れず、私も南部の事はあまり勉強してこなかったのですが、この度、ガツンと心に刻まれるような学びをさせて頂いたので、ご報告します。

1・まず、南郷歴史民俗資料館で、特別展

「クジラの村~山から海に出た男たち」に驚きました。

旧南郷村では、昭和30年代に出稼ぎ先として、捕鯨が盛んに行われ、「クジラの村」と呼ばれていたそうなんです!

昭和12年から、南極大陸の近くでの捕鯨船に乗った南郷の人達の、真面目な働きぶりが信頼され、出稼ぎ拡大。

ピーク時には、三八地区一帯で700数十人が従事していたとのこと。

3回捕鯨船に乗れば家が建つ、と言われたそうですから。

クジラは、捨てる箇所が無いと、よく言われますが、主目的は鯨油と、鯨肉。

歯も、象牙と同じくらい高級品なんですよ。

もちろん、楽な仕事ではなく、酷寒の南氷洋では、亡くなった方もいたそうです。

やはり、一つの村を豊かに出来るような仕事は、危険と隣り合わせなんですね。

会場には、数々の捕鯨用の道具が展示されていましたが、強烈だったのは、モリの矢先です。

初期に使われていたものは、矢の先が尖っていたのですが、それだと、硬くて滑らかなクジラの体表で、滑ってしまい、刺さらないのだそう。

そこで、改良型は、先端がカットされて、平べったいのです!

その方が、摩擦の力が手伝って、クジラの厚い皮に刺さってゆくのです。逆転の発想!

この歳になっても、目から鱗が落ちるのは、気持ちが良いですね。

南郷村では、大洋漁業(現マルハニチロ)の名にちなんだ、「大洋公園」という公園まであるんですよ!

世界の中でも、肩身の狭い日本の捕鯨ですが、南郷村にスケールの大きな出稼ぎの歴史があったことは、津軽人も知っておくべきだな、と思いました。

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2・さて今度は、八戸 小中野にやって来ました。

小中野地区は、明治頃大きな遊郭が並ぶ花街で有名だったところ。

「東北の上海」と呼ばれていたとか。 往時の勢いが思い浮かびます。

現存する旧遊郭「新むつ旅館」では、リアルに体感できますよ!

そして、小中野の街を散策していると・・・

こりゃー、レトロなんてもんじゃないッ、と、ビックリしたのが、「丸一河村毛皮店」さんです。

明治29年創業の、120年以上続く老舗の毛皮屋さんです。

ただ、動物好きな方は、行かない方が良いかも知れません。

昔の世代の、普通に動物の毛皮を身に着けていた文化に、ショックを受けるかも。

私が、感動したのは、毛皮屋さんの昭和テイスト満点の店舗と、歴史的エピソードなんです。

お店の外観は、40~50年前の商店街のネオンを憶えている方なら、感涙ものです。

虹色のテントの下に、極彩色のネオン看板。

その下の、全面ガラスのショーウィンドウを支える、地面から30センチほどの土台を飾っているのは、モザイクのタイルなんです!

これは、昭和の商店の象徴なんですねー。

そして、店内は吹き抜けのモダンな作り。

2階には、障子に囲まれた別室が。来賓用でしょうか。

そして。昔は、船乗りが遠洋から帰ってくると、持ち帰ったアザラシ等の毛皮を売りにきたそうです。

港町八戸の「東北の上海」小中野の玄関口にある大店の毛皮屋。

そこに、猟師の手で持ち込まれる、海獣の毛皮。

これぞ、土地柄。民族の歴史ですねーー。

昔から、お店のショーウィンドウには、白熊の毛皮を飾り、ポスターも白熊。

店内にはエスキモーが狩りをしているパノラマ絵画。

レトロ好きには、雷に打たれた位の感覚でした。

令和の今では、ちょっとお目にかかれない、文化遺産だと思います。

急に行くのが怖い方は、ネット上で、「田舎の毛皮屋さん」で、検索してからが良いと思います。

動物愛護の観念が広がる前、青森の祖先が、狩猟に近いところで、生き抜いてきたのだと思い返される、南部の旅でした。

おしまい

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