スタッフブログ 595回は、福原がお届けします。
皆さん、孤独 ですか?
「無縁社会を生きる」という本を読みました。
2010年、NHKスペシャルの、「無縁社会~無縁死 三万二千人の衝撃」という番組が、大反響を呼んだのですが、その後、2012年に出版された本です。
孤独死というものが、今みたいに社会に共有されたのは、そんなテレビや本の存在も大きかったと思います。
――家族や親戚という血縁関係が、少子化によって急激に希薄になってきた現在、常日頃から、友達や、地域の人間関係、趣味の仲間など、近い場所にいる仲間と人間関係を密にして[絆]を強くしていけば、老後に孤独の恐怖に苛まれることは無い。――
ザックリ そんな内容でした。
この本が出版される前年に起こったのが、東日本大震災。
震災を目の当たりにして、明日は我が身という感覚が巷に広がり、やはり、昔ながらの地域共同体が大事だね、といった空気になったのを覚えています。「復興」の合言葉と共に。
日本に絆が戻ったと思いきや・・・
オリンピックの盛り上がりの陰で、復興五輪が形だけになり。
そこにコロナの追い打ちで、社会は疲弊する一方。
ここまでくると、みんな自分のことで精一杯で、地域のお年寄りが孤独かどうかなんて、気にする余裕が・・。
ーーーーーーーーーーーー私は、青森市の新興住宅街に住んでいますが。新興だったのは、40年前。
今では、この地域も、高齢化 真っ只中。
向かいのお宅は、たまに救急車が来ていたなと思ったら、ご夫婦で入院→施設へ。県外から、娘さん(50代)がやってきて、しばらく、空き家にします。とのこと。
隣も10年空き家だし、寂しくなってきたなー。
と思っていた、そんな折・・・・。それは、去年の3月・・・・。
我が家の長女は、進学して県外へ引っ越してしまったのですが。長男も首都圏の大学へ行くことになり、コロナの真っ只中、引っ越し作業のはじまり。
私は、その間、一月ほど家で1人暮らしとなりました。
若い時、独身時代を謳歌していた頃の、1人暮らしは全然寂しくなかったのに、家族がいる状態からの、いきなりの1人暮らしが、こんなに孤独とは・・・。
単身赴任のお父さん、尊敬します・・・ホント
以下に、ある日の仕事帰り~就寝までのスケジュールを書いてみます。
19:00 1人暮らしの栄養不足対策の為、地元スーパーFに飛び込む。めんどくさい料理(フライとか)は、18:30からのお惣菜半額で獲得。野菜の量がわからないので、大量に買いすぎる。
なので、ポトフ(洋)と、豚汁(和)が 交代で永遠に続く。中身はほぼ同じ。
19:30 家に帰ると誰もいないので、まずテレビをつける。野菜を切ってコンソメ入れて、ストーブにかける。ちょっとでもコトコト煮た感を出す。入浴。
20:00 料理の続き。料理は大雑把なもの2種類。鍋で煮るか、フライパンで焼くか。妻が作ってくれる小鉢の料理など程遠い。
20:30 今までテレビドラマやバラエティー番組を観る習慣が無かったので、大量に借りて来た「男はつらいよ」シリーズのDVDを見始める。自分がつらいのにまだ気付いていない。
10:00 DVDが終わって、感動するも、最後、寅さんがまた旅に出てしまうので、寂しくなり、次のDVDに手をつける。寅さんの同時上映が、寅さん・・・。釣りバカにすれば良かった。
11:30 やはり、同じような内容の為、飽きてしまい、寝ようとするも、1人だと、昔の事とか、これからの事とか、色々考えてしまい、寝れなくなる。
12:00 寝酒。ようやく就寝。
どうでしょうか?55歳で、特に趣味も無い中年が、急に一人になると、かなり危険ですね。70歳代と全然変わらないですね。
ーーーーーー昔、駅前とか、本町とか、たまに古い住宅街とかに建つ、小さな、お婆ちゃんが1人でやってるカラオケ居酒屋に、一人身のお爺ちゃんらしき人たちが昼から集まってるのに遭遇したことがあって、とても不思議だったのですが、今は、すごくわかります!
家族に囲まれて、満ち足りた時は、かなり恵まれた時間です。
そして、1人になるときは、多くの人にとって、突然訪れるもの。
そうなる前に一度、孤独を味わう経験をしておくと、ご近所さんとか、たまに会う友達に、優しく接する気持ちも出てくるかも知れませんね。
必要なのは、日常の「絆」だそうです。
おわり