スタッフブログ第630回は、福原がお届けいたします。
私 福原は、生業として、古物商を営んでいます。
青森市にある「古美術元禄」という骨董屋の三代目になります。
もともとは、祖父が戦後、物資の枯渇した時代に、鍋釜から、家具、調度品にいたるまで売買していたのですが・・・。
青森に駐留していた、アメリカ進駐軍の兵隊が、日本の骨とう品ばかり求めるので、だんだんと骨董専門になっていったのでした。
都会の骨董屋とは違い、一子相伝の目利きのスキルがある訳ではないので、私は大学出てから、銀座の老舗で小僧として修業しました。
掛け軸の扱い方から、叩き込まれ、休みの日は美術館巡り。
若いうちの勉強は、一生の宝ですよ。ホント。
自己紹介は、これくらいにしまして・・・。
現在、商いにおいては買い取りに力を入れております。
幸い、創業してから、70年以上新聞広告を出し続けているので、買取依頼の電話は毎日のように頂いております。
そのすべてが、代々受け継がれたお宝であれば、テレビ番組のように華やかに終わるのですが、現実はなかなかそうはいきません。
美術品ではなく、「~のようなもの」を、どうやって処分したら良いのか、困ってらっしゃる方に(商売にならなくても)アドバイスしてあげるのも仕事の一つなのです。
[この断捨離は困った]
その① 剝製の館
バブルの頃、全国各地で御殿のようなお屋敷が建ったのですが、(高い吹き抜け、庭のような玄関、徳川のような和式大広間)・・・。
広いと、寂しくなるもので、何かで空間を埋めたくなるのが、人情。。
そこで人気のあったのが、はく製でした。
トラ、白熊、トド、ワシ、孔雀、象牙 などなど。
そんな、親御さんが集めたはく製を、今片づける子供さんたちは大変です。
珍しいはく製ほど、売買処分するには、許可が必要なので、許可証の取り方等、丁寧にご説明するようにしております。
[この断捨離は困った]
その② 人形の館
どちらのご家庭でも、ひな人形や、五月人形くらいは納戸の中にあるものですが、昔の人は、それ以上に人形が大好き!
コケシくらいでしたら、民芸品として処分してしまえば良いのですが、博多人形から市松人形、果てはフランス人形に至るまで、お部屋の中が人形で埋まっているお宅も多いのです。
これを読んでいる、心当たりのある、ご年配の方へ。
顔のあるものは、残されたご家族の方にとって捨てるのが難しく、かといって、人形供養も、数が多いとばかになりません。
お元気なうちに、考えましょう。
[この断捨離は困った]
その③ 売れない本
有名作家のサイン本、古い探偵小説、文豪の初版本、マンガ関連など、人気のジャンルはありますが、現在、古書の世界で、百科辞典、美術全集の類はほぼ流通価格がありません。
もちろん、例外はありますので、迷ったらご一報くださいませ。
[この断捨離は困った]
その④ 梅酒
漬けた方が元気なうちに飲み切りましょう。残された若い世代が見ると、ホルマリンに漬けた梅の標本に見えます。
その➄ ウイスキー
暴騰しています。換金しましょう。
その他、断捨離については、多々エピソードがあるのですが、また次の機会に。
おわり。